犬雑記帳

どこにでもいる文系修士課程2年生の日常と感情の記録

若者にとって「クリスマス」は、本当にオワコンなのか?

こんにちは、innu_inuです。

 

先日は、クリスマスでしたね。我が家では、10年ぶりくらいにクリスマスツリーを出して、クリスマスケーキやチキンを作り、ささやかなパーティーをして楽しみました。

 

私はいわゆる「若者」世代ですが、クリスマスが大好きです。

11月下旬から12月25日にかけて高まっていく高揚感とか、街のキラキラ感とか、ぬくぬく感とか、静けさの中の光とか、サンタクロースの優しさとか、人々の浮き足立つ感じとか、クリスマスソングとか、とにかく好きです。

 

一応申し上げておきますと、私はクリスチャンではありません。

「クリスチャンでもないのに・・・笑」と言われてしまいそうですね。私も、中高生のときは、「クリスマスなんてクソ食らえ!」と思っていました。なんか特別な日らしいけど、別に普通に過ごしてやる、そんな抵抗心があったように思います。

転機は、大学1年の冬でした。第二外国語の国Xについて、学ぶ機会が多くなったがゆえに、Xを好きになったのです。そして、Xの実質的な国教は、キリスト教なので、クリスマスも本格的です。私は、Xのクリスマスに興味をもったので、徹底的にXのクリスマスグッズ・食べ物を探したり、日本におけるX的なイベントを探して行ったりしました。

そうこうしているうちに、私が「Xかぶれ」の人間になったからこそ、クリスマス大好きマンになってしまったのです。

 

日本におけるクリスマスは、もはや世俗化していて、クリスマスを楽しむ人々が全員、キリストの降誕を祝っている(もしくは、キリストを礼拝している)わけではないと思います。

しかし、西暦を使って生きている以上、キリストという存在と無関係ではないと思います。そんなわけで、クリスチャンでもない私は、西暦に思いを馳せながら、クリスマス文化を創り上げ、維持してきたクリスチャンの方々を尊敬しつつ、クリスマスを過ごしています。もちろん、クリスマスという「特別感」も楽しんでいます。

 

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昨日、こんな記事を見つけて愕然としました。

toyokeizai.net

もう1つ象徴的だったのは、「パーティーも『クリスマスだからやろう』とは限らなくて、忘年会とか、誰かのお祝いでやればいいと思っています。だって無理にケーキ、チキン、プレゼントを用意しなくてもいいから気楽」「クリスマスって決まっているものが多くて、お金がかかりますよね。ハロウィンのように自分らしさを自由に出して楽しめる感じもないし」という大学生グループの声。

確かにクリスマスは、「お金をかけて決まった形式のイベントを楽しむ」というニュアンスが強く、ハロウィンと比べると自由度は少ないのでしょう。また、同じ年末で言えば、カウントダウンのほうがお金はかからず、自分らしさを自由に出しながら、集まって盛り上がれるイベントに見えます。

さらに1つ加えるなら、かつてホールケーキとチキンにはクリスマス特有の特別感がありましたが、現在ではそれほどでもなくなりました。言い方を換えると、「ケーキは『誕生日とクリスマスしか食べられない』という時代ではなくなった」ということ。ひいては、クリスマスそのものも、ハロウィンなど別の魅力的なイベントが増えたことで特別感が薄れてしまったのでしょう。

「大学生グループの声」って・・・私と同世代じゃないですか・・・。

確かにクリスマスは、ハロウィンに比べれば、ある種伝統的な(?)「型」があって(そもそも誰が作り上げた「型」なのか・・・?)、それに従って粛々とやる、という感が強いと思います。しかし、だからといって、「自分らしさを自由に出して楽しめ」ない、ということもないと思うんですけどね・・・。

たとえ「型」に従ってクリスマスを過ごすとしても、別にそこに「自由さ」がないわけではないと思います。別に”アレンジしたから罰金!”となることもないのですから。

クリスマスツリーを飾るにしても、随所に自分らしいこだわりを出すことはできますし、クリスマスケーキじゃなくてもお寿司ケーキでもいいわけです。既存の「型」に対して、どこに自分らしさを出すポイントを見つけるか、工夫を凝らしたお気に入りのポイントを作るのか、というのも、また楽しいと思うのですけれどもね。

ちなみに、クリスマスプレゼントの準備は、金銭的負担が大きいので、全面的に賛成するわけではありません(苦笑)。

 

 

逆に私からすれば、同世代がなぜハロウィンでめちゃくちゃ盛り上がっているのかが意味不明なんです。大学のゼミ生が、インスタで、『今日俺』みたいなセーラー服を着て仮装したとか、別の子は、少しエロい悪魔をやったとか、公開していましたが、本来のハロウィンの趣旨と、その仮装の関連性って、どこにあるのかがよく分かりません・・・ごめんなさい(disる気は、全くございません)。その仮装をするだけで、クリスマスの準備と同じくらいお金がかかりそうですし・・・大変そうです。

そもそもハロウィンの趣旨ってどうなんだろう?と思い、調べてみたところ、

元々ハロウィンは、10月31日に行われる、アイルランドに伝わる「サーウィン」という古代ケルト人のお祭りでした。
ケルト人にとって10月31日は一年の終わりにあたります。この日は先祖の霊がこの世に戻ってくるとされ、この世に戻ってくる先祖の霊を供養し、現世の悪霊を追い出すための行事だったと言われています。日本のお盆に近いイメージかもしれません。

(中略)

悪霊たちから身を守ろうと悪魔や魔女の仲間のふりをするために仮装したのが始まりと言われています。

とのことでした。

tg-uchi.jp

この趣旨に従ってみれば、やはりハロウィンもそんなに自由度の高いイベントではないような気がします。クリスマスと比較するとしたら、クリスマスはバブル期から培われた「謎の伝統」があるのに対し、ハロウィンは最近まではそんなに盛り上がらないイベントだったために、特に決まった「謎の伝統」がない、ということくらいでしょうか。すなわち、これまでの、イベントとしての注目度の高さの違いによる、ということです。注目度が高ければ、人々がそこに集まるわけで(さらにマスコミが加勢して)、その人々によって、ある程度ルールが作られますからね。

また、ハロウィンは、誰もが自分じゃない自分になれるという「非日常感」があるのに対し、クリスマスは別にそういうわけではない、という違いがあるのでしょう。

とはいえ、「魅力度」に関して、若者世代では、ハロウィンのイベントとしての魅力度が、クリスマスのそれを超えた、ということなのでしょうが、なぜそうなっているのかが、同世代のくせに分からなくて焦っています。

 

 

また、先ほどの「今年のクリスマスが全然盛り上がらない納得の訳」より、

社会人グループから聞いた言葉で最も驚かされたのは、「クリスマスがどうとかインスタにアップするのは恥ずかしい」「ケーキやツリーをSNSにアップするのは、おじさん、おばさんのすること」という声。

つまり、クリスマスを古いものの象徴として見ていて「逆トレンドのようになっている」ということでしょう。これは「クリスマスはお金をかけるイベント(バブル期っぽい)」「クリスマスは恋人同士のイベント(恋愛依存っぽい)」というイメージが、コスパや仲間を重視する若者世代にフィットしないからです。

まじか~~~~クリスマスって逆トレンドなのか~~~~・・・衝撃です。

古き良きを楽しめば良いじゃないか・・・と、懐古主義的な私は思うんですけどね・・・。逆トレンドをリファインする楽しさってないですかね?

確かに、私も、「クリスマスだから高いお金をかける」ということに合理性は見いだせませんし、「恋人同士で過ごさないと恥」みたいな概念にも同意できません。しかし、全面的に「古い」ものとみなすのは、謎です。

もちろん、コスパ・仲間重視という視点には全面賛成です。

 

 

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2021年は、クリスマストレンドの境目だったような気がします。

2020年は、コロナ禍ではじめてのクリスマスということもあって、2019年以前のクリスマストレンドを引き継いでいたような気がします。すなわち、これまでと同様に、おうちでも豪華に、といった意識があったような気がします。去年、25日の夜にスーパーに行ってみたら、苺はほぼ売り切れ、クリスマスケーキの飾りも売り切れ、チキン類は多少あった、という感じでした。

今年は、夜でも、スーパーには苺がたくさん売っているし、ケーキの土台なんて余るほど売っていて、七面鳥は廃棄にならないのか心配になるほど売れ残っていました。クリスマスケーキ用の飾りもたくさん売っていました。特設会場のホールケーキも、10個以上並んでいました。ついでにいえば、コーヒーショップのクリスマスコーナーは、20日の時点でほぼなくなっていましたし・・・2021年のクリスマスは、なんだか物寂しい印象です。

 

ちなみに、クリスマス=恋人と過ごす特別な日、というイメージは、先ほどの記事は「古い」とされていましたが、実はつい最近まで(2019年くらいまで)根強く存在していたような気がします。というのも、私が高校生のときは、クリスマスは恋愛一色という感じで、高校では「恋人がいなくたって良いんだ!」「クリぼっち万歳!」「クリスマスは普通の平日じゃあ!」と声高に叫ぶ人々が多数いました。はやりのクリスマスソングもたくさん作られた年でもありました。

ちょっとした小話ですが、大学1年のとき、語学のクラスで、先生が「一定の点数を下回る人は、12月24日に補講をします」と言ったときに、補講対象者が「え~~~!!クリスマスは大学行きたくない!だってクリスマスだもん!」と主張し、かたくなに出席を拒んでいたという話があります。この時点では、少なくともクリスマス=特別な日、という意識が大学生にもあったんだと思います。

 

トレンドの変化を身を以て体感しているなと思います。

 

 

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私が主張したいのは、

・クリスマスは古くない!古いとしても、古き良きを楽しめば良い!

・ハロウィンも良いけど、クリスマスも良い!クリスマスはハロウィンと同じくらい魅力的なイベントである!

・クリスマスも自由に楽しめる余地がある!

ということでしょうか。

 

もしかしたら、将来的に「クリスマス」というイベントは消えゆくのかもしれません・・・しかし、下火になったところで、またそのときの若者が「平成レトロ」として楽しみだすのかもしれませんね。また、今後、日本の景気が盛り上がってきたら、バブル期のような高級志向が戻ってくるのかもしれません。

 

現段階では、日本のクリスマスはオワコンではないと思います。

ただ、それはかつてが「お金をかけすぎる」など過剰だっただけで、今は適正な形になっただけなのかもしれません。たとえば、コンビニやスーパーには、シングルもクリスマス気分を楽しめるように小さなケーキやチキンが買えるようになるなど、全体の経済効果は下がったかもしれませんが、さまざまな人々に対応したイベントになったような気もします。

(今年のクリスマスが全然盛り上がらない納得の訳 より)

以上の指摘の通りだと思います。

(ちなみに、CDTVとMステの「クリスマススペシャル」がなくなったときに、クリスマスは本当のオワコンを迎えるのだと思います・・・。)

 

 

固定観念に縛られず、クリスマスというイベントを再考し、自分の中でどのようなイベントとして位置づけるか―これを考えるだけでも楽しいはずです。もしかしたら、クリスマスは子供じみたイベントに捉えられる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、その「子供じみたイベント」に対する”意識”は、子供の頃と大人になった今とでは違うはずです。そのような”意識”の側面から、クリスマスを再解釈し、今の自分に合った楽しみ方をする、というのはいかがでしょうか。

世の中、案外、「物の見た目」だけではないと思います!

 

来年のクリスマスこそ、盛り上がりを期待します!